かぜ(発熱)
かぜとは
かぜ(風邪)とは、鼻や喉などの上気道にウイルスが感染して炎症を起こし、発症する病気です。
上気道炎ともいわれますが、正式には「風邪症候群」と呼ばれています。
かぜの症状
かぜの症状としてよく見られるのは、3つです。
- 鼻症状(鼻水、鼻づまり)
- のど症状(のどの痛み・違和感)
- せき症状(せき、痰)
この3つの症状が急に出現した場合は、かぜ(ウイルス性上気道炎)のことが多いです。
それ以外の症状として、発熱、倦怠感(全身のだるさ)、関節痛、筋肉痛、悪寒(さむけ)、吐き気、嘔吐、下痢などがあります。
かぜの診断と検査
かぜと診断するためには、問診と身体診察を行うことが大事です。
症状の発症時期や程度、その経過を聞いた上で、症状の部位に応じて身体診察を行います。
副鼻腔(ふくびくう)
副鼻腔は、ほほ、顔、目のまわりの骨の空洞部分のことで、普段は空っぽの状態ですが感染が生じ炎症を起こすと痛みなどの症状がでます。
おでこやほほの圧痛や叩いた時に痛みが見られることがあり、顔を下に向けると痛みが悪化することがあります。
ほとんどの場合は他の症状とともに1週間程度で改善することが多いですが、片方のおでこやほほの強い痛みを認め症状が改善しない際は急性細菌性副鼻腔炎として抗生剤治療を行うことがあります。
のど
咽頭や扁桃が赤みや腫れを確認し、扁桃に白苔がないかを見ます。
のどの痛みが目立ち他の症状に乏しく、小児から青年期の方の場合は溶連菌性咽頭炎を疑って検査を行うことがあります。
首の周囲
首の周りのリンパ節が腫れていないかどうかを確認します。
かぜの際のリンパ節腫脹の特徴としては、表面がつるつるしていて可動性があり、自発痛や押したときに痛みがあります。
胸
呼吸音を聞くことで、喘鳴の有無や異常な肺雑音がないかを確認します。
お腹
吐き気や嘔吐、下痢、腹痛を認める場合はお腹の触診を行い、痛みの場所や程度を確認します。
検査
特定のウイルス感染症(インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス)と診断するために、迅速抗原検査を行います。
また、溶連菌性咽頭炎を疑う場合は溶連菌の迅速抗原検査をします。
一般的な「かぜ症候群」であれば血液検査やレントゲン検査は必要ありませんが、急性副鼻腔炎や肺炎などの細菌感染が疑われる場合や伝染性単核球や亜急性甲状腺炎など他の病気が考慮される際には血液検査やレントゲンを撮影します。
かぜの治療
基本的には、かぜは自然によくなるウイルス感染症であり、抗生物質は必要ありません。
安静にしてしっかり休養をとり、水分・栄養を補給することが大事ですが、症状を和らげる目的として対症療法を行います。
鼻水の量を減らす抗ヒスタミン薬(花粉症によく使用されます)、のどの痛みや発熱・関節痛を軽減するアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ)やNSAIDs(ロキソニンなど)、咳を止めるデキストロメトルファン(メジコン)、痰を切りやすくするカルボシステイン(ムコダイン)などを処方し、症状の緩和を行います。