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便秘

便秘について

厚生労働省が発表した令和4年国民生活基礎調査の結果では、便秘の有訴者数は人口千人あたり女性が43.7人、男性が27.5人、65歳以上に限ると71.2人です。
日本国民の約440万人が便秘を認めており、多くの方が便秘で悩まれています。

便秘の症状がある方は多いのですが、市販薬を試したり食生活・生活習慣を変えたりすることで様子を見ている方もいると思われます。
それで便秘が解消されればよいのですが、なかなかよくならない便秘の中には大腸がんなどの見逃してはいけない病気が隠れていることがあります。

便秘の症状

便秘の代表的な症状は下記です。

  • 便が硬い、コロコロした便が出る
  • 排便後でも、便が残っている感じがしてスッキリしない
  • 便がつまっている感じがある
  • 便をする時にいきみが必要
  • 便意はあるが、なかなか出ない
  • お腹が張る
  • 排便に時間がかかる
  • 排便時に痛みがある
  • 便の回数が少ない
  • 便秘薬を飲まないと便が出ない

便秘の原因・種類

便秘は大きく分けて、「器質性便秘」と「機能性便秘」に分類されます。

器質性便秘

大腸や直腸、肛門のどこかで腸の狭窄が生じる疾患を認め、それが原因で便秘になります。
大腸がんなどの腫瘍性病変や、若年者に多い炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などが器質性便秘の原因となります。

特に、「急性発症した便秘」、「50歳以上」、「増悪傾向」、「血便」、「体重減少」、「大腸がんの家族歴」、「潰瘍性腸疾患の既往」、「便が細く腹痛を伴っている」、などの症状を認める場合は腫瘍に伴う腸の狭窄が疑われるため、造影CTなどでの精査が必要となることがあります。
それ以外にも、非狭窄性として巨大結腸症、直腸重積で便秘を来たします。

機能性便秘

機能性便秘は、「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。
排便回数減少型は、便が大腸内に長くとどまってしまう状態を言います。
糖尿病や甲状腺機能低下症、パーキンソン病、薬剤性(抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、利尿薬、オピオイド、抗コリン薬など)、アミロイドーシス、関節リウマチなどの膠原病で腸の蠕動運動が低下し便秘が生じます。
また、蠕動運動が低下していなくても、食事摂取量の低下や食物繊維の量が足りないと便秘になります。

排便困難型は、直腸にある便を快適に排泄できない状態を言います。
便は直腸まで下りてきているのですが、排便に関わる筋肉の機能低下や硬便が原因で便の排出が難しくなります。

便秘の治療

器質性便秘(大腸がんなど)の場合は、大腸内視鏡検査などの精査が必要なため専門の医療機関へ紹介します。
機能性便秘の治療は、非薬物療法(生活習慣の改善など)と薬物療法が中心です。

生活習慣の改善目標

  1. 食物繊維の接種:男性20g/日以上、女性18g/日以上
    食物繊維が多い食品:海藻類、きのこ類、野菜、穀物(玄米や大麦)、豆類
  2. 水分:1.5-2.0L/日接種
  3. 規則正しい食事:特に朝食を抜かないこと
  4. 運動:適度な運動を行う
  5. 排泄:食後にトイレに座る
  6. 排便回数:排便回数にこだわり過ぎないこと(およそ週3回位所樹であれば病的ではない)

日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあるため、食物繊維をしっかり摂ることは便秘の解消につながることがありますが、肛門直腸機能障害(便秘に関わる筋肉の機能低下、ヘルニアなどが原因)のある高齢者などでは食物繊維の摂りすぎで腸閉塞をきたすことがあるため注意が必要です。
薬物療法の治療の基本は、便を軟らかくする緩下剤の酸化マグネシウムです。酸化マグネシウムが使いづらい方や効果不十分な場合には、ビプロストン(アミティーザ)を用います。
それでも症状が改善しない場合には、大腸刺激剤であるピコスルファートナトリウムや、センナ(センノシド)を用いますが、連用すると効果が減弱するため注意が必要です。
また、近年登場した薬剤であるグーフィスやリンゼスを使用することもあります。

高齢者で肛門付近に便がある方、排便困難型の場合はレシカルボン座薬や浣腸を適宜使います。

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