尿潜血陽性(血尿)
尿潜血と血尿の違いとは
健康診断などの尿検査で、尿潜血(±)や(+)、(2+)を指摘されたことがないでしょうか。
尿潜血とは、健康診断等で使われる試験紙法で、赤血球中に含まれるヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに反応した場合、尿潜血陽性と言います。
一方血尿とは、詳しい検査の結果、実際に尿に血(赤血球)が混じっている状態を言います。
尿潜血の検査
健康診断等で使われる尿潜血を調べる方法は、上記の通り試験紙法です。
そのため、尿の赤血球が含まれているかどうかを確かめるために、尿沈渣を行います(沈査の形態が維持されやすい早朝尿が望ましいため、朝に採尿をお願いしています)。
尿沈渣で赤血球が5個以上(顕微鏡検査で強拡大(400倍)の視野で検査)認めた場合に、血尿と言います。
尿潜血(+)だが尿沈渣で赤血球(-)であった場合は、ミオグロビン尿(激しい運動や横紋筋融解症などが原因)やヘモグロビン尿(溶血性貧血などが原因)が考えられます。
尿沈渣で赤血球(+)、血尿の場合は、病歴などを踏まえ原因疾患特定のために血液検査、尿細胞診、画像検査(CT検査やエコー検査など)を行います。
血尿の原因疾患
血尿の原因は、「一過性血尿」、「糸球体性」、「非糸球体性」に分けられます。
一過性の血尿
尿検査前の病歴がはっきりしていて、原因が特定できるものは下記等があります。
- 月経
- 尿路感染症
- 尿路結石
- 性交渉後
- 運動後
再検査で血尿(-)かつ病歴から原因がわかっている場合は、更に検査はせず様子を見ることが多いです。
原因が不明瞭だが血尿が持続している場合には、定期的に尿検査等を行うことが必要です。
糸球体性(腎臓)
腎臓の糸球体は、血液を濾過して尿を作る役割を担っています。
この糸球体に異常が生じると、血尿を認めることがあります。
尿沈渣で赤血球円柱(主に硝子円柱以外)や変形した赤血球が存在、尿蛋白が陽性であった場合は、糸球体が原因で血尿が生じている可能性があります。
糸球体が原因で血尿が生じる疾患として下記などがあります。
- IgA腎症
- 遺伝性糸球体腎炎
- 菲薄糸球体基底膜症候群
- 感染後糸球体腎炎
- 全身性エリテマトーデスの腎症
- ANCA関連血管炎
この中でもIgA腎症は慢性腎炎症候群の中で最多であり、上気道感染後の肉眼的血尿や、持続的な顕微鏡的血尿を契機に診断されることがあります。
また、感染後の糸球体腎炎としては、小児の溶連菌感染後の腎炎に注意が必要です。
これらの疾患が考慮された場合は診断目的に腎生検が必要となるため、専門の医療機関へ紹介とします。
非糸球体性
糸球体以外に血尿の原因となる疾患として、下記等があります。
- 多発性嚢胞腎
- 薬剤性(抗凝固薬など)
- 腎結核
- 泌尿器科悪性腫瘍
これらの疾患を判断するためには、画像検査(CT検査やエコー検査)が必要です。
血尿は肉眼的血尿(眼で見てわかる程の血尿)と顕微鏡的血尿に分類されますが、ここでは主に顕微鏡的血尿について説明しています。
肉眼的血尿においては特に40歳以上で泌尿器系悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、尿管癌、腎癌)のリスクが高くなるため、画像検査(CT検査や腹部エコー検査)を行った上で泌尿器の専門医がいる医療機関へ紹介を考慮します。
