真性赤血球増多症(真性多血症)
多血症とは
赤血球の数が増加している場合、多血症と言います。
真性赤血球増多症(真性多血症)の基準に照らし合わせると
男性:Hb>16.5g/dL、Ht>49%
女性:Hb>16.0g/dL、Ht>48%
が該当します。
真性赤血球増多症(真性多血症)とは
真性赤血球増多症は、造血幹細胞(すべての細胞の基となる細胞)レベルの異常によって生じる疾患で、赤血球が増加する病気です。
主にJAK2遺伝子の変異が原因で発症します。
真性赤血球増多症の年間発生率は10万人あたり約2人で、診断時の平均年齢は60歳です。
ほとんどの方が健康診断などで偶然発見されますが、脳梗塞の発症を契機に診断されることもあります。
真性赤血球増多症(真性多血症)の症状
健康診断などで多血症を指摘されたとしても多くは無症状ですが、赤血球の増加が高度になると自覚症状を来たすことがあります。
- 頭痛
- めまい
- 顔面紅潮
- 掻痒感
- 倦怠感
さらに赤血球の増加が進行すると、血栓症を伴うこともあり注意が必要です。
また、腹部診察時に脾腫(脾臓がおおきくなること)を認めることもあります。
真性赤血球増多症(真性多血症)の検査・診断
真性赤血球増多症の診断には、WHO分類改訂第4版(2017年)の診断基準を用います。
大基準
- Hb(ヘモグロビン)値が男性5g/dL、女性16.0g/dLを超える、もしくはヘマトクリット値が男性49%、女性48%を超える、もしくは赤血球量が予測値の25%を超える
- 骨髄生検において、赤血球系、顆粒球系、巨核球系細胞の3系統の増殖により過形成を示す
- JAK2V617F変異またはJAK2 exon 12変異が存在する
小基準
血清エリスロポエチン低値
3つの大基準を満たす、もしくは大基準1,2と小基準を満たせば、真性赤血球増多症と診断できます。
多血症の場合、「真性赤血球増多症」と「二次性赤血球増加症」の鑑別が必要となるため、血液検査(赤血球や血小板、白血球などを検査)、エリスロポエチン濃度などを測定します。
主の原因遺伝子であるJAK2遺伝子変異は95%以上の方で認められるため、JAK2遺伝子検査を通常は行います。
しかしながら、一部の方ではCALR遺伝子やMPL遺伝子の異常を認めることもあるため、必要に応じこれらの検査も検討します。
Hb(ヘモグロビン)値やHt(ヘマトクリット)値の程度によって骨髄検査は必ずしも必須ではないと言われていますが、一部の症例では初診時から骨髄の線維化を認め、今後骨髄線維症に移行する可能性があるため、当院では骨髄検査含めた確定診断目的に血液内科を有する専門病院へ紹介としています。
真性赤血球増多症(真性多血症)の治療
真性赤血球増多症の治療の最大の目的は、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の合併を予防することです。
血栓症予防のために少量アスピリンを内服します。
それ以外の治療方法として、赤血球の数を減らす目的に瀉血(血液を静脈から抜き取ること)を行うことがあります。
また、赤血球含めた細胞数を減少させる目的で、ヒロドキシカルバミド(ハイドレア)やJAK2阻害薬(ジャカビ,ルキソリチニブリン酸)を用います。
