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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

  • 「眠っている時、呼吸が止まっている、いびきがうるさい」と言われる
  • しっかり寝ているのに、日中強い眠気や疲れを感じる
  • 夜中にトイレへ行く
  • 起床時に頭痛が強くでる

こういった症状はないでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まる(10秒以上)、または呼吸が浅くなることで十分な睡眠をとることができず、日常生活に影響を与える疾患です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群の原因は、上気道(鼻腔・咽頭・喉頭)の閉塞です。

日中起きている状態で気道が閉塞することはなく、気道を支える筋肉(上気道開大筋)のおかげです。

睡眠中に上気道が閉塞する要因は

  1. 上気道の狭小化(狭くなること)
  2. 上気道開大筋の反応低下

があります。

1. 上気道の狭小化(狭くなること)

鼻の通りが悪い、扁桃腺が大きいことも上気道が狭くなる原因となりますが、最大の要因は「肥満」です。

また、欧米人と異なり日本人含めたアジア人は前後に奥行がない顔面の骨格をしているため、肥満でなくとも舌と中咽頭の間の気道が狭くなりやすく、SASの原因となります。

痩せている方でも「小顎」の人は、実はSASで不眠となっていることもあります。

2. 気道を支える筋肉(上気道開大筋)の反応低下

睡眠時には上気道開大筋の反応は低下しますが、通常問題となる程に低下することはありません。

問題となるのは

  • 加齢
  • アルコール
  • 睡眠薬

です。

睡眠薬では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬(レンドルミン(ブロチゾラム)やハルシオン(トリアゾラム)等)が影響しやすいです。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疫学

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、一般的に思っている以上に有病率が高く、生活習慣病(高血圧や糖尿病)に合併することも多いです。

様々な報告がありますが、2019年にLancetから出された論文(Lancet Respir Med. 2019 Aug;7(8):687-698)があります。

その中で、日本のSASの方は

  • 中等症以上(AHI≧15/h):900万人
  • 軽症(AHI≧5/h):2200万人

と推定され、日本人口の中等症以上は7.3%、軽症は17.7%にあたります。

この論文では年齢が23-59歳と働き盛りの男性を対象としており、人口比率で考えると過大評価されている可能性はあります。

しかしながら、食の欧米化に伴う肥満率の上昇と日本人の顔面の骨格の特徴を踏まえると、今後更にSASの患者数は増加する可能性があります。

2019年に厚生労働省が提出したCPAP療法実施患者数は61.7万であり、その数は増加傾向です。

上記を踏まえますと、治療が必要な中等症以上のSASの方は、治療中の方の数倍いると考えられます。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑う症状

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「夜間のいびき」と「日中の強い眠気」が特徴的ですが、それ以外にもSASを疑う症状があります。

1. いびき

いびきをかくこと自体は、SASでなくともあります。

患者さん本人が「いびき」を気にしているというよりは、家族が気にしているということも多く、いびきの程度が問題になるレベルであれば、家族の睡眠を妨げないことも大切です。

家族が気になるようであれば、検査を行ってみてもいいかもしれません。

2. 眠気

睡眠中に無呼吸や呼吸が浅くなると、睡眠が途切れ途切れになってしまい、睡眠の質が低下します。

日中の仕事の効率や健康を優先するなら、成人は7-9時間程度の睡眠時間が必要です。

睡眠時間を十分に確保していても朝起きた時に眠いというのは、SASを疑う理由となります。

仕事や家事の途中に眠くなるという場合は、病的な眠気である可能性が否定できないです。

3. 不眠

上述の昼間の眠気がSASの主訴と思われますが、実は不眠を訴えるSASの患者さんは稀ではありません。

特に高齢者、女性では不眠症をを認めることが多く、睡眠薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)が悪影響を与えている可能性があります。

4. 夜間頻尿

高齢になると抗利尿ホルモンの低下や膀胱容量の減少、前立腺肥大症や過活動膀胱、糖尿病や心不全等の内科的疾患等が原因で、夜間頻尿となります。

SASでは、気道閉塞に伴い胸腔内圧が低下します。

そうすると心臓に還ってくる血液の量が増加し、心房から心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)という物質が分泌されます。

ANPの分泌で尿量が増加、排尿回数が増加し、SASが夜間頻尿につながります。

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を行うことで、特に高齢者では治療効果を実感することがあります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合、下記の図に沿って検査・治療を行います。

(睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020より引用,一部改変)

※AHIにはREI(Respiratory Event Index)が含まれています

※PSG(睡眠ポリグラフ検査)=精密検査

 

簡易モニター検査

簡易モニター検査では

  1. 呼吸の空気の流れといびき(鼻にカニューレ装着)
  2. 酸素飽和度(SpO2プローブを指に装着)

を見ます。

 ※Philips社は胸にいびきセンサー装着

この2つから、呼吸イベント(無呼吸や低呼吸)の回数を測定します。

SASの診断において、AHI(Apnea Hypopnea Index)(無呼吸低呼吸指数)という大事な指標があります。

AHIは、睡眠中の1時間あたりに起こる「無呼吸」(呼吸が10秒以上停止)と「低呼吸」(呼吸が浅くなる等で血中酸素が低下する)の合計回数を示し、SASの重症度の指標となります。

簡易モニター検査では、TST(総睡眠時間)を算出できないためMT(観察時間)をTSTの代わりとして用いているため、簡易モニター検査で検出できる指標はREI(Respiratory Event Index)と言います。

簡易モニター検査の流れ

 

ご自宅での検査が終了し、当院へ検査結果返却後、結果を説明します。

 

AHI(REI)が40以上かつ自覚症状あり

 CPAP療法の適応であり治療を行います

AHI(REI)が40未満

 精密検査のPSG検査(睡眠ポリグラフ検査)を行います

 

PSG検査(睡眠ポリグラフ検査)

PSG検査は、簡易モニターと異なり睡眠も見ています。

睡眠時無呼吸症候群だけでなく、レム睡眠行動障害や周期性四肢運動障害の診断にもPSG検査は用いられます。

PSG検査で見ているのは下記です

1. 睡眠           

  • 目の動き(眼電図)
  • 筋肉の活動(オトガイ筋筋電図)
  • 脳の活動(脳波)

2. 呼吸          

  • 呼吸の動き(胸腹2か所にベルト装着)
  • 気流を見る(鼻圧・温度センサー装着)
  • 酸素飽和度(SpO2プローブを指に装着)

これだけの項目を観察しているため、PSG検査はいくつもの機器を装着します。

 

以前は入院で行われていましたが、現在は自宅でも検査が可能です。

自宅

(在宅PSG検査)

項目

入院

(PSG検査)

自宅

(慣れている環境)

場所

病院

(普段と違う環境)

一晩 日数 1泊2日
約13,000円

費用

(3割負担)

約30,000円~50,000円
睡眠時無呼吸症候群 対応疾患

睡眠時無呼吸症候群

レム睡眠行動障害

周期性四肢運動障害等

在宅PSG検査

メリット      

  • いつもと同じ環境で眠れる
  • 費用負担が軽い
  • 検査/入院予約が不要

デメリット     

  • 機器の装着が煩雑
  • SAS以外の診断には非対応

 

患者さん毎に状況は異なりますので、相談の上で在宅PSG検査または入院PSG検査を行うかどうかは決定します。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

簡易モニター検査やPSG検査の結果、下記の場合にCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を行います。

簡易モニター検査   

  • AHI(REI)≧40かつ自覚症状あり

PSG検査       

  • AHI≧20

※PSG検査でAHI≧15はOA治療(マウスピース)の適応ですが当院では行っていません

※AHI=無呼吸低呼吸指数

 

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

CPAP療法は、鼻に密着させたマスクを通じて圧縮した空気を送ります。

呼吸に合わせて持続して一定の陽圧を加えることができ、気道が虚脱(しぼむ)し閉塞することを防ぐ治療法です。

CPAP療法が第一選択となる理由

  • 副作用がほとんどない点
  • 患者さんを選ばず治療効果が概ね確実

である点が挙げられます。

 

CPAP療法の副作用      

  • 呑気症状(腹満感・ゲップ・排ガス)
  • 機器装着時の違和感

呑気症状の訴えが起床時にありますが、数時間で軽快することが多いです。

機器装着に慣れるまでには少なからず違和感を感じる、習慣化するまでにはストレスを感じる方もいます。

 

CPAP療法の目的

CPAP療法を行う目的として、いくつかの理由があります。

1. 症状を改善するため  

  • 眠気・不眠
  • いびき
  • 夜間頻尿

上記の改善を目指して治療します。

患者さんの症状を緩和することが、一緒に生活する家族の生活の質の向上にも繋がります。

 

2. 合併症の管理のために治療する

併存疾患として高血圧がある方は、高血圧のコントロールを向上させる目的があります。

まずは、1日4時間以上CPAPを装着できる日が70%以上に達することを目標としましょう。

 

3. 心疾患等の予防のため  

CPAP療法をしっかり行うと、高血圧を予防できるとされています。

また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は糖尿病の発症にも関与している可能性があります。

AHI(無呼吸低呼吸指数)が30以上の重症SASの方については、心血管イベントの予防にも繋がります。

 

その他治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方には、減量が有用です。

減量によるSASの改善効果にはばらつきはありますが、極端な食事制限や急な減量ではなく、ゆっくり(例:毎月-0.5~1.0kg程度)体重を減らすことを目標とします。

筋肉量を減らすことは、得策ではないためです。

 

CPAP治療の当院への転院希望について

当院では、CPAP治療に関して、他院から当院への転院が可能です。

現在通院している病院が遠くて通いづらい、引越し等でCPAP治療を継続できるクリニックを探している場合でも対応しています。

お電話で連絡の上で、CPAP治療で転院希望の旨をお伝えください。

ご利用されている検査会社と、検査会社の担当者の方へ転院希望の旨を伝えて頂けると幸いです。

当院でのCPAP治療に対応している会社

  • 株式会社フィリップス・ジャパン
  • 帝人ファーマ株式会社

 

もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かも?と思っている方、一緒に暮らしている家族が睡眠時無呼吸症候群を疑う症状を認めている方は、一度当院へご相談下さい。

 

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