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頭痛

頭痛について

厚生労働省が発表した令和4年国民生活基礎調査の結果では、頭痛の有訴者数は人口千人あたり女性が46.8人、男性が18.5人と女性に多い特徴があります。

日本国民の約420万人が頭痛を認めており、多くの方が頭痛で悩まれています。

日常的に頭痛を感じている方は多いのですが、医療機関を受診せずに市販薬を飲んで対処している方は少なくありません。長く続いている頭痛や気になる頭痛などがありましたら、当院へご相談下さい。

頭痛の種類

頭痛の多くは、ストレスや長時間の労働、睡眠不足などが原因で生じ、他に原因となる病気がない「一次性頭痛」です。

一方で、病気などが原因で引き起こされる頭痛は「二次性頭痛」といいます。特に見逃すと危険性が高い病気として、くも膜下出血、脳出血、髄膜炎・脳炎、椎骨動脈解離、脳腫瘍(占拠性病変)、緑内障発作などがあります。

一次性頭痛

「一次性頭痛」は他に原因となる病気がない頭痛のことをいいますが、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛に分類されます。

頭痛を主訴にクリニックを受診される方の多くは片頭痛であり、緊張型頭痛を含めるとさらに一次性頭痛の割合は高くなります。多くの方の場合、同じような症状を月~年単位で繰り返し経験しているため、まずは問診で頭痛の頻度や性状などを伺います。

片頭痛

片頭痛の好発年齢は20~40歳代で、男女比は1:4と女性に多い傾向があります。有病率は8.4%との報告があり、頭痛が起きると痛みのために動けないなど、日常生活に負担がかかっている方も少なくありません。

痛みの箇所は前・側頭部に多く、片頭痛との言葉通り頭の片側が痛いことが特徴ですが、両側に痛みがでることもしばしば認め、発作の時間は4~72時間程度です。

前駆症状・前兆として閃輝暗点(視界にギザギザした光や、暗い斑点が見える一時的な症状のこと)を認めることがありますが、頻度は約30%と高くはありません。また、頭痛に伴って吐き気や嘔吐、光や音・臭いに過敏になることがあります。

誘因としては、飲酒やストレス、月経周期、光・音・臭い、天候・温度の変化、睡眠不足などがあり、様々な要因で片頭痛は引き起こされます。

 

治療は、頭痛が起こってからなるべく早く内服すると効果が高い「急性期治療」と、頭痛発作を起こりにくくする「予防治療」があります。

急性期治療
  • ロキソプロフェン(ロキソニン)
  • アセトアミノフェン(カロナール)
  • トリプタン製剤(例:スマトリプタン(イミグラン) 50mg)
  • 制吐薬(例:メトクロプラミド(プリンペラン))
  • セロトニン5-HTIF受容体作動薬(ラスミジタンコハク酸塩(レイボー))

アセトアミノフェン、ロキソプロフェン、トリプタン製剤を使用することが多いですが、嘔気や嘔吐が激しい場合には制吐薬を併用し、トリプタン製剤が使用しにくい場合はセロトニン5-HTIF受容体作動薬を用いることがあります。

予防治療
  • Ca拮抗薬(ロメリジン塩酸塩(ミグシス),1日2回,1回5mg)
  • β遮断薬(プロプラノロール(インデラル),1日20~30mg,2~3回内服)
  • バルプロ酸ナトリウム(デパケン)

月4回以上の頭痛発作が持続している際などは、片頭痛の予防薬を使用することがあります。新規抗体製剤である抗CGRP製剤も認可されていますが、当院では処方していません。

緊張型頭痛

緊張型頭痛の有病率は22%との報告があり、有病率は高いです。好発年齢は30歳以上と中高年に多く、精神的ストレスや姿勢の異常(長時間のデスクワークや運転など)などが原因で、頭から首・肩・背中にかけて筋肉に負担がかかることで頭痛が生じるとされています。

痛みの箇所は通常両側性で、後頭部や前頭部あるいは頭全体が絞めつけられる、圧迫されるような痛みがしばらく続きます。また、頚肩腕症候群(首や肩、腕にかけて痛みが生じる症候群)との関連も指摘されています。

治療は、精神的・肉体的ストレスを取り除くことが目標で、ストレッチや定期的な軽い運動を行って筋肉のこりを取り、血流をよくすることが大事です。薬物療法としては、鎮痛薬のアセトアミノフェンやNSAIDsが有効で、場合によっては抗不安薬(エチゾラム(デパス)など)や鎮痛補助薬としてノイロトロピンを用いることがあります。

二次性頭痛

二次性頭痛は病気などが原因で引き起こされる頭痛です。全く初めての頭痛、突然発症、今までで経験したことがない強烈な頭痛、徐々に痛みが増悪する頭痛、50歳以降の初発の頭痛、精神症状を伴う頭痛などは二次性の頭痛を考慮します。

原因疾患は多岐にわたります

  • くも膜下出血・脳出血
  • 髄膜炎・脳炎
  • 椎骨動脈解離
  • 脳腫瘍(占拠性病変)
  • 緑内障発作
  • 副鼻腔炎
  • 帯状疱疹
  • 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
  • 貧血
  • 低血糖
  • 睡眠時無呼吸症候群

まずは問診で頭痛の性状や程度、持続期間、他の病気の治療歴、その他症状などを伺い、必要に応じて血液検査や頭部CT・MRIなどの画像検査を検討します。また、二次性頭痛の中で緊急性が高いと考えられるもの、例えばくも膜下出血や脳出血などが疑われる際には他院へ紹介します。

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